マリー・ローランサンとモード展
大阪の中之島美術館まで行ったので、少し足を伸ばして京都市京セラ美術館にも行ってきました。
昨年秋にアンディーウォーホルキョウト展で訪れて以来です。
一年も経たずにまたここへ来れて嬉しいです!
前回の京セラ美術館の記事はこちらから↓
今回の展示は、「マリーローランサンとモード展」
ふんわりとした絵を描く女性というイメージで、女性の画家の作品って、あまりちゃんと観たことがない気がするのですごく気になっていました。楽しみ〜
女性らしさの追求
前のアンディー・ウォーホルの時のシンプルで現代的な展示室とはまた違い、アンティークな雰囲気の会場でした!すでに女心くすぐらてれます。
戦後、フランスが安定と平和を取り戻し、女性の活躍が目覚ましい時代にマリー・ローランサンは美術界で活躍していました。
全体的にぼんやりしているようで、肌の質感や透けたドレスの素材などはしっかり伝わる。肖像画の女性がどんな顔をしていたのかが、伝わってくるほど。
油絵って、濃く強く描くイメージがあったけど、こんなふうに柔らかに淡く表現できるんだと驚きました。
それまでにない、独自の世界観をもつローランサンに肖像画を描いてもらうのが流行ったそうです。それはそうでしょう、私も描いてもらいたい。
ふんやり柔らかな、普段は気付かない自分の中にある女らしさをとことん引き出して描いてほしい!
ココシャネルの肖像画を描いた時、男性的なファッションを取り入れる事に挑戦していたシャネルには、気に入ってもらえず、受け取りを拒否されたそうですが、それでも、自分の描いたものに自信を持っていたローランサン。芯の強い女性ですね。見習いたいです。
ローランサンが注目されるきっかけとなった作品、黒いマンテラをかぶったグールゴー男爵夫人の肖像は、背景にリボンや鳥が宙に浮かぶように描かれている。ローランサンの頭の中には、それらが浮かんでいた。それを絵の中で表現するというのは、それまでなかったことなのではないか。
それまでは、実際にあるものや人物を工夫して描くのが普通だったと思いますが、ローランサンは自分の頭の中の空想を描ける。今ではそういう描き方をする人もたくさんいると思うけど、この時代にはいなかったと思います。
彼女の世界観は魅力で溢れているな。あぁ、尊敬。そして羨ましい。
タペストリー用に描いた絵、鳥や花が流れるように舞っていて素敵です。どういうふうに想像して、構成して描いていたのだろう。
舞台の公式プログラムの表紙なんて、もう素敵すぎてキュンキュン。衣装や、舞台装置も手掛けていたとの事。その舞台観てみたい!
縁を感じる展覧会
ピカソらのキュビズムに影響されて描いたとされる作品もありました。関連あるとは知らなかった。
先日行ったばかりのピカソ展とここで繋がると思っていなかったのでびっくり。キュビズムについて考えたばかりだよー、引き寄せられるものってあるのかなー。
それに、私が生まれる100年前に、ローランサンは生まれています。そして今の私と同じ年齢の時の自画像があったので、なんだか、特別な縁を感じてしまう展覧会。
今、女性としてこの世に生まれて、ここまで生きてきた事や、これからの生き方とかすごく考えていた時期だったので、来るべき時に来たのかなー、なんて、勝手に結びつけて、勝手に感動。
また、ファッション界や写真家とのつながりやそれらからの影響などもわかって面白かったです。
仲違いしていたローランサンとシャネルですが、時を経てシャネルのデザイナーを務めたカールラガーフェルドがローランサンの絵画をシャネルのドレスに落とし込んだデザインを発表していて、こうやって繋がって、時代を超えてまたいいものが生まれていくんですねー。
今回はショップで素敵すぎるポストカードとタペストリー用の下絵の柄のハンカチを買って帰りました。女心くすぐるグッズがたくさんでテンション上がりました。
可愛らしい絵だなーとか、どうやったらあんなふわふわの絵が描けるのかなーとか、そんな事を思いながら楽しみながら観るくらいの想像しかしていなかったのですが、これから自分の生きる道までしっかり示してもらえたような、そんな奥深い展覧会でした。
一緒に行った同じ歳の友人も、同じくローランサンの作品から色んな事を感じ取ったようで、会場を出てしばらく、久しぶりに学生時代に戻ったように自分たちについて語り合いましたよ。それほどに心に響くものがありました!
しかしまた今回もカフェに寄る時間がなく…次は絶対カフェでゆっくりしたーい!
\建築が最高にかっこいい美術館/
京都市京セラ美術館
〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町124
営業時間 : 10:00〜18:00
休館日 : 月曜日
変更になっている場合があるので、実際に施設にお問い合わせください。
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